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バックギャモンの戦略書
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ショーン=ウィリアムス(Sean Williams)より「ロンドン・オープン2012」の案内が届きました。たいへんユニークで且つ非常に規模の大きなトーナメントです。
期日:2012年5月18-20日 場所:Brown’s Courtrooms ※ ロンドン中心部のコヴェント・ガーデン(Covent Garden)地区にある 参加費:無料 テレビ放映:大会の模様は15分の連続番組としてSky TVで放映される 人数:128名限定 試合方式:ノックアウト・トーナメント。敗者復活戦なし。5ptマッチ。決勝戦のみ7ptマッチ 何と参加費無料です! レジストレーション・フィーさえもいりません。大会運営に携わったことのある方ならばよく分かると思いますが、これはすごいことです。 もちろんその分賞金もないわけですが、賞金が欲しい人向けにサイドプールもしっかりあるのでご安心下さい。 同時にプロフェッショナル・トーナメントも開催されます。こちらは参加費250ポンド(約3万円)、64名限定トーナメントで、各ラウンドは11ポイントマッチで争われます。一般的なギャモンのトーナメント形式ですね。驚くべきことにこちらもレジストレーション・フィーは無料です。「Sky TV」がスポンサーになっているのではと私は想像します。 ガラディナーが19日の夜に開かれます。参加費35ポンド(約4200円)で贅をこらした料理が提供されるようです。「ブリティッシュ・バックギャモン・アワード」の表彰式が同時に行われます。 1月23日の時点でプロフェッショナル・トーナメントが既に47名埋まったそうです。後17枠しか残っていません。興味のある方は私まで連絡を下さい。申込用紙をメールしますよ。 私は先ほど申し込みを終えました。大会期間が長くないので、ロンドン観光もたっぷり楽しめそうですね。 会場となるBrown’s Courtrooms ![]()
バックギャモンがモチーフとして使われている映画 『さあ帰ろう、ペダルをこいで』 が今年の5月末に公開される、と望月さんのブログで紹介されていた。
プロプレイヤー望月の日々バックギャモン ![]() 『The world is big and salvation lurks around the corner』という原題はやけに長く、直訳すると「世界は大きくて救いの手は角を曲がった所に」となる。around the cornerは「間近に」という意味なのだが、the world is bigがどんな意味合いかはっきりしない。 配給会社は『さあ帰ろう、ペダルをこいで』という邦題を付けたが、こちらの方がよく内容を表しているのだろう。両親を亡くした孫とその祖父が自転車でヨーロッパを縦断し、故郷へ向かうという筋立ては、まさしくバックギャモンというゲームそのものだ。 海外でたくさんの賞を獲得していることから、かなり良質の面白い映画なのだろう。IMDb(インターネット・ムービー・データベース)では7.9という高得点を叩き出している。 IMDb(インターネット・ムービー・データベース) 大河ドラマ『平清盛』にて「松田聖子がバックギャモンをやっている」と話題になったが、今度は映画でもバックギャモンを頻繁に見られるわけだ。 映画のオフィシャルウェブサイトはこちら。 The world is big and salvation lurks around the corner 私はここから壁紙をダウンロードしてパソコンのトップ画面に使っている。劇中に流れる曲『バックギャモン・ダイス』にも、すっかりはまってしまった。CDを買おうかなあ。
白0-0黒(7ポイントマッチ)
15/9* 24/21のヒットは当然の一手に思える。そのメリットは次の通りだ。 (1) 相手をバーへ上げる (2) 9ピップ稼ぐ (3) 11枚で攻める 一方でヒットするデメリットもいくつかある。 (4) 10通りのリターンヒットを与える (5) ブロット四枚をばらまき、ギャモン負けを増やす (6) 陣地は相手の方が良好であり、ヒット合戦は好ましくない それでは敢えてヒットしない24/15はどうだろうか? (7) バックマンに自由を与えている (8) 次に10通り(15 16 22 23 24 66)でダイレクトショットを得る。 (9) 単純な3ポイントゲームと考えても、相手がまだミッドポイントを残しており、4ポイントにギャップがあり、2ポイントに死に駒二枚あるため、十分戦える。 以上(1)から(3)まではヒットを支持し、(4)から(9)までは24/15を支持する。優劣の絶対数では24/15に軍配があがるが、相手をバーへ上げることには絶大なメリットがあるため、たいへん難しい比較となる。そこでヒットした場合の、相手の出目を比べてみよう。 ● ダンスの9通りで得をするが、こちらの5ポイントが空いていることと、まだバックマン三枚が捕まっていることから、圧倒的優勢ではない。 ● 11通りのリターンヒットでは大損する(特に3ゾロのスイングは劇的)。 ● それ以外の出目ではあまり優劣が生じない。 したがって24/15が勝ると考えられる。 最善手:24/15 このポジションを考えるにあたり、だいちゃんとどめるんさんにご協力頂き、特にどめるんさんからは詳細なコメントを頂戴した。ありがとうございました。私の解説はそのコメントに手を加えたに過ぎない。 以下にどめるさんのコメントを原文のまま紹介しておく。こちらの方が分かりやすいかなあ。 ①RUNはフリーダムを与えています HITすると分断気味となります ②22ptアンカーに前あき、セミデッドマンがある状態はそれほど悪くありません ③白は16ptのブロットを逃がす、13をはずすという大変な仕事を残しています ④②と③の理由により、今ヒットしなくてもまだまだチャンスはいくらでもありそうです ⑤インナー(ポジション)負けており、TOO MANY BLOTSでのヒット合戦はしたくありません ギャモン負けのリスクが高くなります ⑥HITには、ピップ負けており、バーに上げて11枚で攻めるというとても大きなメリットがあります 以上より、①~⑤の理由と、⑥との比較で、どちらが優位かという難しい判断となります。 そこで、次の白の目を比較してみます。 〇ダンスする9通りは悪い目だが、3枚を4プライムにつかまえているおかげでそれほど致命的にはなりません。 〇リターンヒットできる11通りは大差となります。 (特に33は大きい) 〇それ以外の目ではそれほどの差はありません。 よって、①~⑤VS⑥の判断は非常に難しいものの、リターンヒット時の11通りの差とダンス9通の差は、リターンヒットに分があり、 それ以外では大きな差がないことから、RUNが優位という結果となります。
今日はさかのぼって第1問に挑戦しよう。
白0-1黒(5ポイントマッチ)
まず5/2とインナーブロットをカバーしよう。すると6の目は13/7しかない。実戦ならばここで思考を打ち切るところだが、さすがにもう少し考えるべきだ。 次に相手がダンスする場合、白は5,6がらみが悪い目だ。具体的には15 16 25 26 55 66の10通りで困ってしまう。また相手がエンターする場合は、35 36を振られるといっぺんに劣勢となる。 そこでこれらの弱点を解消すべく、6の目で7/1と進めてみよう。自分からインナーブロットを生み出して奇妙だが、次の出目を考えるとそのメリットに気付く。 相手がダンスする場合、悪かったはずの5,6がらみで1ポイントをカバーできる。つまり7/1の方が得をしている。 相手が35 36で逃げ出す場合は、ダイレクトショットを得る分だけはるかに7/1が得をしている。。 相手に1でヒットされる場合は損をするが、13では相手がヒットしないから実質9通りだけだ。そして12以外では相手をプライムに閉じ込めており、ヒットされるダメージはそれほど大きくない。 相手が31 32 33 34でエンターする場合の評価は難しい。ほぼ互角と考えてよいだろう。 以上から相手に1でヒットされる場合のみ若干損するものの、相手がダンスする場合と35 36を振る場合はかなり得をするため、7/1が最善だと分かる。 違う角度からは次のように考えられる。 「駒の働き」という観点からは7/1がはるかに優れている。13/7がバーポイントに四枚もスタックさせるマイナスの手であることに対し、7/1はスタックを解消し、アウトフィールドコントロールを維持し、二番目に作りたい1ポイントへスロットしているからだ。 7/1の弱点はもちろん1の目でヒットされる点にあるが、相手をプライムに閉じ込めることから、ヒットされる痛みはそれほど大きくなく、長所が上回る。 最善手:5/2 7/1
あけましておめでとうございます。みなさんのご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
白0-0黒(7ポイントマッチ)
まずポジション全体を観察する。相手のセミバックゲームに対して、こちらは3ポイントと4ポイントにギャップを生じている。おまけに1ポイントに三枚積み重ねて駒の働きは極めて悪い。 無難な手を繰り返しても、3ポイントと4ポイントのギャップを埋める見通しは暗く、スロットを考慮に入れるべきだ。 また11ポイントが障害物としてよく働いており、相手は61 62 63 66を振れば、20ポイント(図では5ポイント)の遊び駒を進めることができず、バーポイントを崩してしまう(または貴重なアンカーを崩す)。 「スロットしたい」「11ポイントを保ちたい」という二つの方針が決まれば、自ずと8/3 6/4という手が導き出される。同時に二箇所へスロットする過激な手だが、相手のヒット&カバーは僅か4通り(12 11 22)しかない。 現在白は劣勢だが、上手くこの二箇所をカバーできれば優勢となるだろう。 8/1は死に駒を増やして論外。 11/6 11/9は11ポイントを崩す上、スロットしていない。 6/4 6/1はスロットしているが、死に駒を増やしている。 最善手:8/3 6/4
随分中断したが、othelloクイズへの挑戦を再開する。これまでに第2,3,4,5,6,7問の解説を終えた。今日は第8問である。
白1-2黒(5ポイントマッチ)
ポジションの特徴を列挙する。 1.レース互角 2.相手陣はダイナミック(新しいポイントを作る目が多い) 3.こちらのバックマンが初期配置 4.相手陣はスタック形 5.こちらのミッドポイントがスタックしている 1のレース互角からは、ヒットされたくないことが分かる。 しかし2からは自陣側でヒットされる痛みの小さいことが分かる。 (相手はヒットと同時に陣地作りはできない) そして3からは「ヒットされた駒を有効活用できる」という特徴が浮かび上がる。 (ヒットされた駒を使うとハイアンカーを確保しやすくなる) 4からはスプリットしたくないことが分かる。 以上から、「こちらのバックマンには触れず攻撃に専念し、ヒットされることを過剰に恐れる必要はない」という方針が導き出される。 最後に5を考慮に入れると、ミッドポイントにスタックした駒を活用する13/10 13/11という手が選ばれる。相手が12 13を振る場合は特に効果的である。 最善手:13/10 13/11 それではみなさん良いお年を~
12月11日。ラストチャンスの一回戦でジョージ=グランバウム(Georges Grunbaum)に勝つ。彼はトビアスの親友で。この2,3年でギャモンを真剣にプレイするようになったそうな。私の五歳上だが、試合後も棋譜を送って欲しいと熱心だ。
二回戦でフランスのオリビエに3-5で負け。6ゲームプレイしてPRが0.9だったのであるが、唯一のエラーといえる手が実は難しくない。並みの上級者なら最善手を選んでいるだろう。それが悔しい。 暇になった私は100ユーロジャックポットに参加して優勝した。これがキプロス、メリーベルを通じて獲得した唯一のささやかな賞金である。 夜10時半に始まるダブルスでMiki Suzukiさんと組むことになった。その前に表彰式が行われたが、ふるまわれたシャンパンを本気モードの彼女は飲まない。私が一杯だけ飲んだことを白状すると「一杯ならいいです。でもそれ以上はダメですよ」と釘をさされる。 表彰式が終わって私はイアンチョをはじめとするブルガリア勢とイタリアンレストランに入った。そこで偶然ワインを飲んでいるMikiさんと出くわした! ばつの悪そうな顔をして小声で「見つかってしまいましたね」。私は苦笑するしかなかった。 さてダブルス一回戦の相手はスカーレット&フランクペアである。4-7で負けるのだが、仲の良いカップル相手に負けると悔しさは倍増する(笑)。すぐに棋譜を入力すると、PRが3.4で芳しくない。私が「これしかない」と主張して190のブランダーをやらかした場面もあった。大反省。 メイントーナメントで優勝したデンマークのBengt Christensenが、棋譜入力の最中にしばしばやって来て親切にも飲み物をふるまってくれる。Mikiさんは「彼にはおごったところがまったくない」と感心していた。 準優勝のカチャ=スピュラム(Katja Sophie Spillum)はとにかく強かった。ほとんどの試合で相手に1,2点しか許さず圧倒して決勝まで勝ち上がった。 カチャ曰く「その秘密は帽子にある」。12月27日の日記を見て頂くとよく分かるが、このかぶり物のようなラッキーアイテムをカチャは試合の間、着用し続けたのだ。 それはともかくとして、カチャと親友のピアは大会前の一週間、毎日棋譜を採りながらギャモンをプレイし、二人で集中して勉強したそうだ。しっかり準備すると結果が出るという良い見本である。 キプロスのスーパージャックポットで優勝した矢澤亜希子さん ![]() キプロスのDMP-CHALLENGEで優勝した西山博さん ![]()
12月10日。コンソレーションの一回戦でリカルド=マラス(Ricardo Mallas)に勝つ。彼は来年4月にレバノンで大きなトーナメントを企画している。楽しみだ。
そういえば、キプロスでこのリカルドと四鹿さんが対戦した。白髪で60歳を越えているであろうリカルドの隣には、お孫さんとおぼしき20歳そこそこの女性が試合の行方を見守っている。ところがリカルドが勝利を収めた瞬間、二人は抱き合ってキスをし始めた! 四鹿さんはあっけにとられたそうな。 二回戦でフランスのアライン=バビロン(Alain Babillon)と対戦。7-9で敗れたのだが、やけに悔しいマッチだった。それほど長くもない9ポイントマッチにおいて、ラストロールでギャモンセーブされた事が二度、ラストロールでゾロ目を振られて負けたことが一度あったのだ。イアンチョ(Iancho)に棋譜を採ってもらった。ありがとうございました。 夜10時半よりスーパージャックポットが始まる。一回戦で同部屋のピーター=ベネットに勝つも、二回戦でフランスのミシェル=セレラ(Michel Sererra)に負け。話好きのミシェルは対局中あれこれと話し掛けてくる。下図の局面で白の私(スコア0-4:7ポイントマッチ)は考えた末にサイコロを振ったが、「これはダブルでしょ」と指摘された。
実際XG2で確かめてもダブルしないと90のブランダーだったから、敗着と云えるかもしれない。 この日もベッドで横になったのが深夜3時。でも6時には目が覚めてそれ以上寝られないため、昨日の反省を始める。4マッチ戦ってPRは5.0, 2.6, 2.1, 2.9だった。 ブルガリア三人衆(真ん中がイアンチョ) ![]()
12月9日。夕方6時よりメイントーナメントが始まった。一回戦の相手はデンマークのナンバーワン女性プレイヤーであるピア=ジェファソン(Pia Jeppesen)。彼女はゲームを録画するためのカメラと専用の台をこしらえて既にセッティング済み。気合い満々じゃないですか!
全部で10ゲーム戦い、かろうじて13-11で勝った。複雑なゲームが続きPR(パフォーマンス・レーティング)がさぞ悪いと予想したのだが、あにはからんや私2.2-ピア3.6だった。二人ともすごいと思う。 二回戦はフランスのアレックス=ビンセント(Alex Vincent)と。0-9とリードされるも、9-9(13ポイントマッチ)に追い付く。そして次のゲームで絶好のチャンスを迎える。
上図で私(白)の振り番だ。勝ったと思っても不思議ではないのだが、ここからあっという間に相手(黒)がフルプライムを完成して負ける。やれやれ。最終的に9-13で敗退した。 私が二回戦を戦っている間にピアが棋譜入力を終えたので、ピアそしてカチャ(Katja Spillum)と一緒に頭から見返す。とても良い勉強になったし、彼女達の熱心さに感心。 ホテルに帰って寝床に就くと3時だ。しかし悔しくて眠れない。隣ではピーター=ベネット(Peter Bennet)が寝ており、起こしては申し訳ないから、ホテルのロビーに移動して、二回戦の棋譜入力を始める。PRは私3.1-アレックス4.8だった。私がもう一段高いレベルのプレイをしていれば勝っていたのではないだろうか。 ピア(左)とカチャ ![]()
12月7日。キプロスからフランスのメリーベルへ移動する。同じヨーロッパ内にも関わらず、丸々一日を要した。
まず朝5時にボブ=ワクテルと共にホテルを出る。イスタンブール空港を経由してフランスのリヨン空港へ。ここまでは割とラクチンだったが、この後が大変。 バスでリヨン市内の駅まで行き、そこで列車に乗るのだが、乗り継ぎが二回。ようやく目的の駅に着くと夜の8時で真っ暗。そして辺り一面雪景色! そうメリーベルは広大なスキーゲレンデを擁する村なのだ。タクシーに揺られてホテルへ着き、荷物をほどくと9時前だ。 乗り継ぎ駅での風景 ![]() 不思議なもので、くたくたのはずだがギャモンは出来てしまう。メイントーナメントのクオリファイに参加して、7ptマッチを戦った。0-6のクロフォードに追い込まれるが、まずバックギャモン勝ちで3-6。次のゲームで相手三枚をバーへ上げてクローズアウト完成。相手の駒がアウターに5,6枚あってギャモン勝ち濃厚な所からヒットされて負ける。0-6から2ゲームで勝つという快挙を逃してしまった!!! 12月8日。再度クオリファイに参加するものの初戦負け。むむむ勝てない。全員参加のウォームアップトーナメントすら一回戦で負け。根性で四度目のクオリファイをようやく一度勝つが、次で負け。やれやれ。しかし調子が悪いという感じはない。 12月9日。昼前に「世界最高の小さなトーナメント」が始まる。ここでいう「最高」とは文字通り「最も高い」だ。リフトで山のてっぺんまで登るのだから。あいにく雪不足でリフトが動いてなかったため、急遽バスで移動し、山の中腹で我慢する。 レストラン内で5ptマッチ・トーナメントが開かれ、三ラウンド勝ち抜くが次で負け。ようやく勝ち星に恵まれ始めたか。 山の中腹 ![]()
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