もう一週間以上前のことになりますが、田中達也さんが那須雅彦さんを下して、『第15期盤聖』となりました。その試合から、一日一つのペースでポジションを取り上げていきます。ちなみに盤聖戦の決勝トーナメントは、すべて11ポイントマッチの2セット先取で争われ、決勝戦も例外ではありません。最大で6時間はかかろうかという長丁場です。
まず第一セットの2ゲーム目から。バーの上に一枚抱えた白が42を振りました。
まず4の目でエンターし、ハイアンカーを確保するべきです。これに関してはどなたも異論がないでしょう。そして2の目は16/14でよいかと思えます(実戦で那須さんもこの手を選びました)。
しかし最善手は13/11です!
赤の立場で考えると、元々4と6はハイアンカーを確保できる良い目です。白が16/14と動かした場合は、それに加えて2もヒットできる良い目となります。しかし13/11を選ぶと、白の良い目は4と6のままで、増えていません。二つの手の違いは0.034と大きくはありませんが、 SnowieとGnubgのどちらでロールアウトしても、この結果に落ち着きました。相手の良い目を重複させるテクニック(デュプリケーション)のお手本と言えるような局面ですね。
これをクイズとして出題されたならば、正答することはそれほど難しくないでしょうが、実戦で気付くには「相手が何の目を必要としているか」を考える習慣づけが必要でしょう。
※ 私は勘違いで、那須さんが最善手を選んだものとしてコメントを書きましたが、望月さんの指摘で気付き、書き直しました。